財政再建は扶助費の見直しから

増え続ける生活保護への対処

 

 生活保護やこども医療助成などの扶助費の増加は、平成18年度では142億円であったものが、平成27年度では247億円と10年間で105億円も増加しています。

 いま日本全国の市町村が増え続ける生活保護世帯に対する対応で追われているが、生活保護は社会保障の最も大きな事務であり、全国一律の対応をしなければならないにも拘らず、国は法定受託事務として市町村に福祉事務所を設置させ、自らは現状にそぐわない指示を出しているだけです。

 生活保護世帯が数少ない場合は、懇切丁寧に対応できる市町村の法定受託事務でもよかったが、昨今のように全国的に増加する生活保護世帯への対応は、市町村では無理になってきています。

 国は生活保護に金を出していると言うが、その額は支給額の80~85%であり、残り15~20%は市町村の持ち出しです。

 岸和田市では生活保護予算だけでも年間110億円を超える勢いです。

 すなわち市として16~22億円の生活保護費とそれに伴う57名分の人件費の一部も出している状況です。

 

これではいくら行財政改革を行い、生み出された果実も数年のうちにはすべて扶助費の予算に消えてしまいます。

 職員は「いつまでどれだけ行財政改革をやるのか。これでは賽の河原の石積みやないか。」の気持ちです。

 

 身近に住む市民を相手に市町村の職員は生活保護の申請があれば、事情がわかっているだけにその審査に苦慮するものです。

 

 私も福祉部門に勤務していた時代に近隣の市から来られた方に「岸和田市へ行けば受けられると聞いてきた。」と言われました。

 岸和田市が独自で認定するような制度ではなく、国が定めた指針に沿って認定するにも拘らず、なぜ他市で断られたのか不思議でなりませんでした。

 年金制度の在り方や社会構造(家族制度)の変化により、生活困窮者は増えるばかりで、市町村では対応しきれなくなっているのが現状です。

 税金や年金は全国一律の制度。全国一律の社会保障制度を行うならば、国が全国に福祉事務所を設置して広域で対応するのが本筋でしょう。

 

 市長は府や全国の市長会に置いて、生活保護行政の大幅な見直しを積極的に提言するべきです。

 

 借金の元金や金利の支払いによる財政難は、超低金利時代の現在では終わっています。

 扶助費の増加による経常収支比率の悪化こそが、現在の財政難の根本原因です。